為替相場は円高にむかう

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ドル円は89円台ミドルでスタートしたものの、米国景気指標の下振れと株安・長短金利の急低下を受けてドル売り・円買いが強まり、88円を割り込み年初来安値を更新。ISM製造業景況指数が6カ月ぶりの低水準となったことからドル売りが加速し、一時86.98円付近まで下落した。

米国経済にあらわれた新たなリスク

現在、米国FRBの要人から、米国がデフレに陥っているとの懸念が示されている。米国が風邪をひくと日本も風邪をひく。目先は米ドルが弱く、円が強い状態が続くと思われる。しかし日本経済も好転の兆しもないため、結局、長い目でみると買われるのはユーロかもしれない。

 

ダウは一時9700ドルを割り込み年初来安値を更新。米国10年債利回りは1年2カ月ぶりに節目の3.0%を割り込み、2年債利回りは一時0.59%と過去最低を更新した。

 

ユーロは、欧州PIIGSをめぐる信用不安が高まり、株安連鎖でリスク回避型のドル買い・円買いが強まったことから、対ドルは1.2155付近へ下落。対円は107.30円付近と2001年以来の安値を記録した。

 

しかしスペインの5年債入札が問題なく消化されたことや、欧州金融機関の資金繰りはさほど厳しくないとの見方が浮上したことから反発に転じ、米国の景気指標下振れを受けたドル売りもあり、対ドルは1.2535付近へ急騰。対円も110.20円付近まで持ち直した。

 

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どちらに転んでも円高か

ドル円相場は昨日一時87円台を割り込み、年初来安値を更新する展開となりました。またユーロ円は一時107円台と8年半ぶりの安値を示現し、気がつけばまた円の独歩高。日本の国力低下や危機的な財政事情から見て「いつかは円安になるはず」と考えている人は筆者を含めて少なくないと思いますが、相場はなかなか円高の流れから脱却するきっかけをつかめずにいるのが現実です。

 

今年上半期の相場のテーマは何と言ってもギリシャ危機をきっかけとした欧州の信用不安で、ユーロが大幅に売り込まれ、安全通貨とみなされて

いるドルと円に買いが集中する展開となりました。

 

ドルインデックスhttp://mpse.jp/tkymail/c.p?12c2bfl1oqPで見ると、ドルは年初から15%も上昇しているのに、ドルと並行して円も買われるため、ドル円だけはほとんど上昇できませんでした。

 

さらに先月発表された5月分の米国雇用統計が下振れして以来、米国景気の先行きにも不透明感が生じ、米国長短金利が急速に低下するとともに、ドルも売られる展開となりました。安全通貨同士であまり動かなかったドル円も、ここにきてドル売りが優勢となり、消去法的な円高になりつつ

あります。今夜発表される6月分の雇用統計も下振れ予想が増えており、米国金利低下・ドル安の流れをさらに強めるかもしれません。

 

このように、ユーロ安局面でもドル安局面でも結局円が強く、「どちらに転んでも円高」となった結果、市場には「常に円を買っている方が有利」という意識が刷り込まれてしまいました。市場は経験則に従って動きますので、「なかなか円安にはならない」という実績が積み上がるほど円の売り手は少なくなってしまいます。

 

ドル円の週足一目均衡表を見ると、週足が結局先行スパンの雲を抜け切れず、跳ね返された格好になりました。

http://mpse.jp/tkymail/c.p?32c2bfl1oqP

 

この先行スパンの雲は、2007年のサブプライム問題発生以来一貫して強力な抵抗帯となっており、いわば「信用不安のカベ」といえるものです。

この抵抗帯を突破して中長期的な底打ちが実現するには、信用不安の悪材料が出尽くし、リスク回避ムードが完全に払拭される必要がありますが、そのような状況は少なくとも向こう半年くらいは想定されません。実力なき円高の局面はまだまだ長引くと見ておくべきかもしれません。

 

ただ、円高はデフレに苦しむ日本経済や株式市場にとってはマイナス材料ですが、トレーダーの目線から見れば、なかなか動かない円安局面より、

一方向に一気に動きやすい円高局面の方が儲けのチャンスは大きいと言えます。ここは急激な動きにも臆することなくしっかり見極めたいものです。

 

なお今夜は米国雇用統計の発表があり、予期せぬ大幅な動きとなる可能性があります。ポジション管理・リスク管理にはくれぐれも注意を払っていただくようお願いいたします。

 

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FXやCFD取引は証拠金取引であるため、現物の株や外貨のように買うだけではなく(ロングでエントリー)、売りからも(ショートでエントリー)することができます。現在のデフレ状態にある世界経済、金融マーケットにおける株、円などすべての価格が下落している局面では、ショート(売りもち)が非常に有効です。